勘定科目には様々な種類がありますが
今回は、お金の貸し借りで生じる取り引き、
債権、債務での勘定科目、仕訳を学んでいきます
目次
簿記⑮/お金の貸し借りで生じる債権、債務ではどんな勘定が使われる?
取り引きでは、お金の貸し借りによって債権、債務が発生します
債権とは?
将来一定金額を受け取るなどの権利
いつか返してもらえるお金のこと
債務とは?
将来一定金額を支払うなどの義務
いつか支払うお金のこと
お金の貸し借りで使われる勘定科目にはどんなものがある?
ポイント
債権、債務を表す勘定科目は、ペアで覚える
1.借用書を使う場合
貸付金
借入金
2.約束手形を使う場合
手形貸付金
手形借入金
3.商品の引き渡しの場合
前払金
前受金
4.商品を売買した場合
売掛金
買掛金
5.商品以外を売買した場合
未収金
未払金
6.従業員や取引先のために、一時的に立て替え払いした場合、
従業員や取引先から、一時的に現金などを預かった場合
立替金
預り金
※給料には所得税が課される
会社やお店は、一時的に従業員の所得税をあずかる=『源泉徴収』という
7.勘定科目、または金額が確定していない場合
仮払金(支出の場合):とりあえず払った
仮受金(収入の場合):とりあえず受け取った
8.商品券を発行した場合
商品券 : 商品を渡す義務が発生(債務)
《シュミレーション1》借用書を使う場合
①お金を貸した場合
A商店は、B商店に
借用証書によって、現金10万円を貸し付けた
各商店の債権、債務はどうなっている?
A商店:お金を貸して(貸付金)、後で返してもらう権利がある(債権の発生)=資産
B商店:お金を借りて(借入金)、後で返す義務がある(債務の発生)=負債
仕訳はどうなる?
A商店
資産の増加は借方へキロク
(借)貸付金 100,000 (貸)現金 100,000
B商店
負債の増加は貸方へキロク
(借)現金 100,000 (貸)借入金 100,000
②お金を返した場合
A商店は、B商店から貸付金10万円の返済を受け、
利息4,000円とともに現金で受け取った
仕訳はどうなる?
A商店
現金として利息とともに資産がアップ、資産の増加は借方へキロク
貸付金の消失、債権(資産)がへる、資産の減少は貸方へキロク
(借)現金 104,000 (貸)貸付金 100,000 受取利息 4,000
B商店
借り入れの債務(負債)が減少、借方へキロク
現金(資産)の減少は貸方へキロク
(借)借入金 100,000 支払利息 4,000(貸)現金 104,000
《シュミレーション2》商品の引き渡しの場合
①商品の引き渡しで使う勘定の例
A商店は、B商店に
商品30万円を注文し
内金として60,000を小切手として支払った
※内金:先に少額しはらうお金
各商店の債権、債務はどうなっている?
A商店:内金を支払うこと(前払金)で、商品を確実に引き渡してもらう権利(債権)が発生
B商店:内金を支払われた(前受金)ので、確実に商品を渡す義務(債務)が発生
仕訳はどうなる?
小切手を利用すると、当座預金から残高が減る、貸方へキロク
A商店
(借)前払金 60,000 (貸)当座預金 60,000
B商店
(借)現金 60,000 (貸)前受金 60,000
《シュミレーション3》商品以外を売買した場合
A商店は、帳簿価額10万円の備品を
B商店に、12万円で売却した
打金は月末に受け取ることにした
各商店の債権、債務はどうなっている?
A商店:代金をあとでもらう権利(債権)が発生
B商店:代金をあとで支払う義務(債務)が発生
※商品の売買の取引では、『売掛金』『買掛金』が使えた
今回の場合は、商品売買の取引ではなく、
一時的に発生した債権・債務の取り引きになる
その場合の勘定科目は、『未収金』『未払金』となる
仕訳はどうなる?
(借)未収金 120,000 (貸)備品 100,000 固定資産売買益 20,000
※備品を購入して、代金をあとで支払う場合
勘定科目は『未払金』になる
《シュミレーション4》従業員や取引先から、一時的に現金などを預かった場合
①
給料20万円の支払いにあたり、所得税額1万円を差し引き、
残額19万を現金で支払った
仕訳はどうなる?
給料は費用の発生、費用がアップなので借方へキロク
所得税額を預かったので、預り金は貸方へキロク
(借)給料 200,000 (貸)現金 190,000 所得税預り金 10,000
②
従業員から預かった所得税を
事業主が税務署に現金で納付した場合
(借)所得税預り金 10,000 (貸)現金 10,000
《シュミレーション5》勘定科目、または金額が確定していない場合
従業員の出張にさいし
旅費の概算額5万円を現金で渡した
仕訳はどうなる?
(借)仮払金 50,000 (貸)現金 50,000
最後に
債権、債務が発生する取り引きでは
多くの勘定項目があることがわかりました
さらに仕訳となると把握するのが大変ですね
引き続き学んでいきます
最後まで読んでいただきありがとうございました
ではまた!
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