興味がある漢方薬を学んでいます
今回は『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』です
漢方にご興味がある方のご参考になればと思います
目次
漢方を学ぶ㊶温裏きょ寒剤/当帰四逆加呉茱萸生姜湯ってどんな調合?
どんな組み合わせ?
当帰四逆湯+
呉茱萸+
生姜
の組み合わせ
どんな治療の処方?
当帰:手足の冷えを改善する
冷えを良くして、病気体調不良を治療する
呉茱萸+生姜で作用を増強する
四逆とは?
四肢の冷えが主な冷えとなっている状態(証)
当帰四逆加呉茱萸生姜湯が治療する証は?
血虚受寒の証
根本の体質として、血が不足している(血虚)状態
+
寒冷刺激で抹消の血管が収縮している状態
血虚になるとどうなる?
1)栄養を体の隅々までおくれなくなる
2)外からの寒邪の影響をうけやすい
→気・血・津液が体内を運行する通路(経脈)中の血の流れを滞らせる
→機能が阻害される
寒邪が体を温める力(陽気)を阻害する
→四肢が十分温められない
※四肢以外にも、以下で冷えがでることがある
下腹部
腰
大腿部の内側
股間
の冷えもおこることがある
四肢の冷えが強くなると
・手足のしびれ、痛み
・腰痛
・頭痛
・ガスがたまりやすい
・月経痛
などがおこる
血が不足するとどうなる?
・たちくらみ/脳に送られる血液量がへるので
・蕁麻疹
・しもやけ
・胃腸の痙攣
・不妊
・皮膚のうっ血
・唇、爪が紫色になる
・舌:紅みが少なく白っぽい + 白い舌苔
などがおこる
どんな調合?
計9種の生薬
君薬:
1,当帰
血を補う
血を温め、脈内の通りをよくする
2,桂枝
血を温め、脈内の通りをよくする
寒邪を排除する
血管拡張作用
臣薬:
3,芍薬(白芍)
血、津液、精を補う
4,細辛
細い形状の辛温薬
血を温め、脈内の通りをよくする
寒邪を排除する
鎮痛作用
佐薬
5,木通
脈内の通りをよくする
利水作用あり
使薬
6,甘草(炙甘草)
脾、胃の機能を高めて気を補う
諸薬の薬性の調和
7,大棗
脾、胃の機能を高めて気を補う
諸薬の薬性の調和
8,呉茱萸
熱性が強い
散寒作用あり
胃を温めて嘔吐をとめる
肝を温めて上逆をおろす
腎を温めて嘔吐、下痢をとめる
9,生姜
胃を温めて寒気をちらす
降逆して嘔吐をとめる
辛温散寒薬:3つ
桂枝
細辛
呉茱萸
温養補血薬:2つ
当帰
芍薬
どんな人に調合する?
ケース1)
不妊症
基礎体温が低く、生理不順がある
月経がおくれがち、月経痛が強い
カイロをおなか、腰にはると、痛みが軽減する
証:血虚受寒の証
服用4ヶ月頃から月経が安定してくるようになった
1年後に妊娠、翌年、無事出産できたケースあり
ケース2)
腰痛
病院に通うもよくならない
冷え性で、夏のクーラーは苦手
冬にお風呂にはいってもおなか、腰が温まりにくい
子供の頃はしもやけができていた
証:血虚受寒の証
服用はじめ、痛みは徐々に軽くなり
3ヶ月後から病院に行かなくてもよくなった
さいごに
今回は、『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を学びました
次回は、『温経湯』を学んでいきます
最後まで見ていただきありがとうございました
ではまた!
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