興味がある漢方薬を学んでいます
今回は『三黄瀉心湯』です
漢方にご興味がある方のご参考になればと思います
目次
漢方を学ぶ㊼清熱剤/清熱解毒/三黄瀉心湯ってどんな調合?
三黄瀉心湯の三黄とは?
・黄芩
・黄連
・大黄
のこと
瀉心湯とは?
胃のあたりの邪気をのぞいて、不快な使え感をよくする煎剤
三黄瀉心湯の証はなに?
3つある
1)火邪じょうしん
火邪とは?
自然界の火熱により生じる現象に似た症状を引き起こす病邪
勢いが激しく、熱証をあらわす
どんな症状がでる?
・発赤
・熱感
・化膿
・発熱
・悪寒
・充血
・口渇
・いらいら
・不眠
・多汗
・疼痛
・出血
火邪じょうしんとは?
心の機能が、過度の刺激をうけて亢進し、熱をおびた状態
特に、過度の嗜好や心配、悩み
あるい
頭脳労働の連続、熱中しすぎることなどで
火邪じょうしんになるとどんな症状がでる?
・顔面のほてり
・のぼせ
・頭、首筋が熱い
・目の充血
・頭痛
・頭重
・めまい
・耳鳴り
・難聴
・口腔粘膜のびらん
・口臭
・肩こり
火邪が、肺にはいると
・胸が張って苦しい
火邪が心にはいると
・もやもやと落ち着かない不安感、不快感
・焦り
・不眠
・動悸
・いらいら
・興奮状態
津液の消耗で
・口の渇き
・尿の色がこくなる
・便秘
火邪じょうしんの舌象
・先端が紅い色
・黄色い舌苔
2)熱盛失血
火熱が、頭、経脈にはいり症状がでる状態のこと
・鼻血
・喀血(肺、気管支での)
・吐血(消化器での)
・歯茎からの出血
・眼底出血
・痔出血
・血便
・紫斑(皮下出血)
3)湿熱中阻
湿熱邪気が中焦の機能をさまたげている状態
湿熱とは?
湿熱 = 湿邪 + 熱邪(火邪)
湿熱が、胃・脾にはいると
・食欲不振
・吐き気
・口が粘る
・腹部膨満感
・泥状便
湿熱が、肝・胆にはいると
・肝臓、胆嚢系の炎症
・消化器系の失調
・自律神経の失調
・黄疸
どんな調合?
計3種の生薬
君薬:
1,黄芩
熱を冷まして湿邪をのぞく(特に肺)
特に上焦、胃の上部に効果あり
抗菌、抗ウイルス作用
降圧、鎮静作用
臣薬
2,黄連
胃の中心部、心の熱をさます
抗菌、抗ウイルス作用
降圧、鎮静作用
佐使薬
3,大黄
熱邪が血ともともにうっ滞している状態をのぞく
排便をうながす
熱邪とつかえをのぞく
利胆・利尿作用あり
抗菌、抗ウイルス作用
どんな人に調合する?
ケース1)
(高血圧)
最近、めまいがする
頭が重く吐き気がある
顔面が紅潮していて、前日は鼻血がでた
証:火邪じょうしん、熱盛失血
服用3週間ほどで諸症状がよくなったケースあり
ケース2)
口内炎です
出血があり、ずきずきと痛む
頬の内側、舌に複数の口内炎あり
胃のあたりに不快感がある
証:火邪じょうしん、熱盛失血
服用3日で、出血、痛みはおさまり、7日で完治したケースあり
さいごに
今回は、『三黄瀉心湯』を学びました
次回は、『温清飲』を学んでいきます
最後まで見ていただきありがとうございました
ではまた!
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