興味がある漢方薬を学んでいます
今回は『茵蔯蒿湯』です
漢方にご興味がある方のご参考になればと思います
漢方を学ぶ53/清熱剤/清熱利湿/茵蔯蒿湯ってどんな調合?
メインの役割は?
茵蔯蒿の強い利胆作用を、他の生薬と合わせることで
その作用を強く発揮させたもの
どんな証を改善するの?
2つの証を改善する
1)肝胆湿熱
湿熱が肝胆にとどまっている状態
・湿熱とは?
湿邪+熱邪=湿熱 という
ねっとりと湿っぽく、熱っぽい症状がみられる
湿熱には2種類ある
1/湿熱外感:
外界からの湿熱邪が体に侵入してきた状態
悪寒、発熱などの症状が表れる
2/湿熱内盛
体内で蓄積された湿熱邪の勢いが盛んな状態
からだが重だるく、頭痛、頭重感、無塩が詰まる、食欲不振、吐き気、腹部の膨満感、ねっとりとした便が見られる
・湿邪とは?
病邪の一種
べっとりと湿っぽく、重く、経過が緩やか、体内に停滞しやすい特徴がある
・熱邪とは?
病邪の一種
勢いが激しく、熱証(実熱)をあらわすのが特徴
2)湿熱黄疸
湿熱による黄疸の状態(陽黄)
漢方での黄疸について
陰陽によって2種に分けられる
1/陽黄:湿熱による黄疸のこと→茵蔯蒿湯の処方が有効
肌や目の黄色化が鮮明な黄疸のこと
湿邪の影響により、熱邪が血とともにうっ滞して、内にこもって熱が停滞する
2/陰黄:寒湿による黄疸のこと
どんな調合?
計3種の生薬
君薬:
1,茵蔯蒿
湿熱をのぞく
黄疸をのぞく
瘀熱を改善する
胆汁の分泌促進
臣薬
2,サンシシ
排便、排尿作用
苦寒性
熱邪を除去する
熱邪の勢いが盛んになって生じる熱証を冷ます
気や津液の通りをよくする
湿熱を 自然な排尿によってのぞく
利胆作用あり
佐薬
3,大黄
通便作用で、湿熱をのぞく
裏熱をのぞく
瘀熱を改善する
どんな人に調合する?
ケース1)
赤い蕁麻疹がよくでる
蕁麻疹は隆起し、痒みが強い
ねっとりとしたとした便
色の濃い尿がでる
黄色い舌苔が舌に付着している
証:肝胆湿熱
服用2ヶ月後、蕁麻疹がでなくなった
服用をやめても再発せずにすんでいる
ケース2)
カンジダ症
陰部にかゆみがある
病院で治療するも再発を繰り返す
臭いの強い帯下も気になる
舌苔:黄色く粘っこい
証:肝胆湿熱
服用6ヶ月ほどで陰部の痒み、帯下の臭いも改善した
さいごに
今回は、『茵蔯蒿湯』を学びました
次回は、『五琳散』を学んでいきます
最後まで見ていただきありがとうございました
ではまた!
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