興味がある漢方薬を学んでいます
今回は『五りん散』です
漢方にご興味がある方のご参考になればと思います
目次
漢方を学ぶ54/清熱剤/清熱利湿/五りん散ってどんな調合?
五琳とは?
尿の異常を伴う病証のこと
薬のメインの役割は?
膀胱の湿熱をのぞいて、補血活血することで
尿路系の炎症を治療する
どんな証を改善するの?
一つの証を改善する
・「熱りん」の証
熱りんとは?
熱証をともなう「りん証」のこと
「りん証」とは?
尿の異常を伴う病症
りん証の5種類について
・石りん
・気りん
・膏りん
・労りん
・熱りん →五りん散がよく効く
熱りんは、湿熱の邪が膀胱を侵すことでおこる(膀胱湿熱)
・湿熱とは?
湿邪+熱邪=湿熱 という
ねっとりと湿っぽく、熱っぽい症状がみられる
湿熱には2種類ある
1/湿熱外感:
外界からの湿熱邪が体に侵入してきた状態
悪寒、発熱などの症状が表れる
2/湿熱内盛
体内で蓄積された湿熱邪の勢いが盛んな状態
からだが重だるく、頭痛、頭重感、無塩が詰まる、食欲不振、吐き気、腹部の膨満感、ねっとりとした便が見られる
・湿邪とは?
病邪の一種
べっとりと湿っぽく、重く、経過が緩やか、体内に停滞しやすい特徴がある
・熱邪とは?
病邪の一種
勢いが激しく、熱証(実熱)をあらわすのが特徴
熱りんになるとどんな症状がでるの?
湿邪が膀胱にながれこむことで
・頻尿
・尿意切迫
・下腹部の膨満感
熱邪のはたらきで
・排尿痛
・排尿時の灼熱感
・尿の濃縮・混濁
・血尿
悪化すると
排尿困難、尿閉になる
どんな調合?
計10種の生薬
君薬:
1,茯苓
脾、胃を補う、水湿をのぞく
痰を改善
むくみをとる
胃、脾の水、気の流れをよくする
下痢をとめる
精神を安定させる
2,タクシャ
水湿をのぞいてむくみをとる
清熱作用あり
コレステロール値、血糖値、血圧を下げる
臣薬:
3,木通
水分の流れをよくし、排尿機能を正常にする
炎症をおさえる
4,滑石
むくみをとる
膀胱経の熱をさます
5,車前子
熱をとって、むくみをのぞく
佐薬:
6,サンシシ
熱邪をのぞく
排尿をうながす
湿熱をへらす
7,黄芩
湿熱をのぞく
8,当帰
血を補う
血の流れをよくする
月経を整える
痛みをとめる
便通を改善
9,芍薬
血を補う
筋肉の緊張の緩和、鎮痛
10,甘草
脾、胃の機能を整え気を補う
炎症をしずめる
諸薬の調和
どんな人に調合する?
ケース1)
何度も膀胱炎になる
特に疲労時
抗生物質の治療でも完治しにくい
頻尿、残尿感あり
尿の色は濃い
証:熱りん
服用2週間には完治
継続3ヶ月服用で、膀胱炎にならなくなったケースあり
ケース2)
下腹部に鈍痛あり
頻尿で、時々強い残尿感あり
下腹部の膨満感あり
慢性の前立腺炎の診断で抗生物質を服用するも完治しない
証:熱りん
服用1ヶ月後、頻尿が改善、残尿感が緩和
4ヶ月後には下腹部痛と膨満感もよくなったケースあり
さいごに
今回は、『五りん散』を学びました
次回は、『乙字湯』を学んでいきます
最後まで見ていただきありがとうございました
ではまた!
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