興味がある漢方について学んでいきます
前回は『補益剤/補気/玉屏風散』を学びました
今回は、『補益剤/補血/四物湯(しもつとう)』を学んでいきます
今回から補気の分野から補血の分野の調合を学習していきます
漢方にご興味がある方のご参考になればと思います
目次
漢方を学ぶ⑦『四物湯(しもつとう)』ってどんな生薬の組み合わせ?
四物湯は血虚を改善する処方
血虚とは?
血が足りない体質、状態をいう
『血(けつ)』は血液、栄養の意味がある
血虚だとどうしてよくない?
血液のめぐり、栄養が滞ったりすると、健康の状態が不安定になる
※血虚は貧血、栄養失調ではない
それは、『血』には滋養する意味があるから
栄養があっても、血の循環、自律神経系、内分泌系も機能が弱ければ、体の隅々まで栄養が届かない
血の巡りが悪いとどんな症状が見られる?
- 顔色が悪い
- 肌に艶、潤いがなくカサカサしている
- 唇が荒れる
- 髪の毛が細く弱々しい
- 爪がもろい
- 頭がぼうっとする
- めまい
- ふらつき
- 立ちくらみ
- 耳鳴り
- 頭痛
- 目の疲れ、かすみ、乾き、焦点があわない
- 舌が白っぽい
神経系・筋肉の栄養不足によって以下の症状がでるかもしれない
- 手足のしびれ
- 筋肉の痙攣
- ひきつり
- こむら返り
- 関節痛
血虚が長引くと以下の症状がでるかもしれない
- 動悸
- 不安感
- 焦り
- 忘れやすい
- 寝付きが悪い
- 眠りが浅く夢をみやすい
- 月経の遅れ
- 経血量が減る
血虚になると気虚になりやすい?
『血は気の母、気は血の師』といわれ、両方向性に深い関係がある
血虚になると、気虚になる人も多い(=気血両虚)
この場合は、四物湯で血虚の改善を図って、四君子湯で気虚の改善をするといい
どんな生薬の組み合わせ?
4つの生薬の組み合わせ
君薬:
1,地黄
滋陰作用あり:津液(体の水分)を補う
血を補う
人体に必要な物質を補ってくれる
体に栄養を染み込みやすくし、栄養状態をよくする
臣薬:
2,当帰
血を補う
血虚を補う+血行を改善する
体に栄養を染み込みやすくし、栄養状態をよくする
卵巣の機能を改善して、月経を調節する
佐薬:
3,芍薬
血を補う
筋肉の痙攣を鎮める
体に栄養を染み込みやすくし、栄養状態をよくする
卵巣の機能を改善して、月経を調節する
4,川芎
気血の流れをスムーズにする
卵巣の機能を改善して、月経を調節する
どんな人に調合したい?
ケース1
訴え)
頭痛持ちである
頭が重い、ふらつくことがある
確認したい状態)
目:ドライアイ、疲れやすい
睡眠:眠りが浅い、よく夢をみる
心臓:動悸がたまにある
舌:白く痩せている
4ヶ月の服用で改善されたケースあり
ケース2
訴え)
足がしびれる
長く散歩するとだるく痛みがでる
夜中に足がつって起きることがある
確認したい状態)
肌:乾燥気味、かゆみも気になる
舌:白く湿っぽい
体の冷え:あり
血虚に対して本処方+冷えに対して八味地黄丸を服用で改善のケースあり
次回は『補益剤/補血/当帰飲子(とうきいんし)』について学んでいきます
ではまた!
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