興味がある漢方薬を学んでいます
今回は『安中散』です
漢方にご興味がある方のご参考になれば嬉しいです
目次
漢方を学ぶ㊵
温裏きょ寒剤/
腹部の痛みを治療する安中散ってどんな調合?
安中とは?
中を安ずること
中:中焦、腹部のこと、胃腸、肝臓、胆嚢、膵臓
安:痛みを和らげて安らかにすること
安中散が治療する証は?
『胃寒の証』
胃に寒邪が侵襲し、胃が冷えて疼痛を生じている状態
寒い環境、冷たい飲み物、生のもの摂取でなる
どのような症状がおこる?
・上腹部(心窩部)の疼痛、胃痛、けいれん性の疼痛
・上腹部の冷え
・胃が動いていないような感覚
・つかえ感
・膨満感
・消化不良
・生つば
・悪心
・嘔吐
・水溶性の嘔吐
・胸焼け
・呑酸
・脇痛
・下腹部痛
・便秘
・水様便
・月経痛
・舌の色:淡い紅色、白い舌苔が薄く付着
※胃陽虚の証に安中散は効かない
胃陽虚の証とは?
胃の気が弱い体質
熱をつくりだして体温を維持する作用が弱い
冷えやすく、ちょっとした寒冷刺激で胃が冷える状態
胃陽虚の証は、虚証
胃寒の証は、実証
五臓六腑の考えとは?
五臓:気、血、津液、精をつくってためる場所
六腑:飲食物を受け入れ、下方へと伝え、排泄していく場所
六腑としての胃の機能
飲食物の受け入れ
消化
人体に必要な物質にかえる
飲食物の残りかすを下方に下降させる
どんな調合?
計7種の生薬
君薬:
1,エンゴサク
鎮痛作用
温性
気血の流れを円滑
胃酸分泌を抑制
臣薬:
2,小茴香(ショウウイキョウ)
鎮痛作用
温性
気の流れをよくして、胃の機能を調整
芳香性健胃薬
佐薬:
3,縮砂(シュクシャ)
鎮痛作用
温性
胃のつかえを解消
膨満寒を解消、嘔吐を抑える
芳香性健胃薬
食欲増進
4,高良姜(コウリョウキョウ)
鎮痛作用は乾姜より強い
温性
腹部を温め、嘔吐を緩和する
5,桂枝
鎮痛作用
温性
体内の水の流れを助ける
陽気を通して、気を降ろす
消化吸収の促進
6,牡蛎(ぼれい)
鎮痛作用
精神の安定
陽気、陰液の漏れを防ぐ
汗をとめる
制酸作用
7,甘草(炙甘草を使用)
脾、胃の機能を調整
諸薬の薬性の調和、毒性を緩和する
痙攣を緩和し、止痛する
どんな人に調合する?
ケース1)
胸やけが続く
お腹を温めると楽になる
胃の痛みあり
水様の液体が胃があがってくる
舌苔:湿っている
証:胃寒
一週間ほでで改善したケースあり
ケース2)
胃が刺すように痛む
冷たいものを飲みすぎた
胃が動いていないように感じ、苦しい
吐き気もある
証:胃寒
服用2日で改善したケースあり
さいごに
今回は、『安中散』を学びました
次回は、『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を学んでいきます
最後まで見ていただきありがとうございました
ではまた!
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